【展覧会・市場・画家の知識を頭に入れる⑤】講義-第12回-画家と税金①
講義第12回の今回は画家と税金➀です。
画家といっても職業としてどうなんだろう…と、特に日本では「画家」が職業としての市民権をあまり得ていないのが現状ではあります。(なので現状は少ない)
しかし、これから自分の絵を販売してその報酬を頂こうとしているのならこれは立派な職業になるわけです。
そうなってくると果たさなければいけない義務が納税です。ただこれ、実際には美大では一切教えてもらえませんでした…。
作家として納税している人が美大にいない(経験がない)のか、そもそも作家としてやっていく概念がないのか…おそらく美術の最高学府の位置付けであろう場所なのに、画家(アーティスト)=職業という意識の希薄さは今振り返ってもちょっと残念すぎます。。
…おっと、スタートでちょっと愚痴っぽくなってすみません。
ひとまず、私は税のプロフェッショナルではないのですが(^^;)これをおさえておけば最低限は大丈夫!という
画家=個人事業主 として生きていくために必要な手続き等をまとめてみました。
ではでは、早速やっていきましょう。
講義-第12回-画家と税金①画家(アーティスト)=個人事業主になるための流れ
基本的に画家(アーティスト)は税務上、「自営業」であり、基本ご自身1人で行うものなので「個人事業主」です。
なので自分で「事業を始めました!」という報告と、確定申告をする必要があります。
具体的に何をすればいいのかというと、そんなに難しいことが多いわけではないですよ(^^)
必須項目は➀~➂です。今回はYou Tubeにアップされている税理士さん系の動画に力をお借りしつつ、それぞれ1つずつ解説していきますね。
➀開業届の作成&提出
②青色申告承認申請書の作成&提出
➂青色申告のための帳簿を付ける「複式簿記」
※④2023年10月1日から始まるインボイス制度
↓この動画も参考になるのでぜひ。
講義-第12回-画家と税金①絶対に個人事業主になるべき?
画家として報酬を得たい!生きていく!という覚悟があってクリーンに進んでいきたいのなら、ぜひ今回の一連の手続きは踏んで個人事業主になったほうがいいですし、そのほうが気合いも入るのでおすすめします。
ただ、正直なところすぐにスグ!というよりは時期やタイミングは見極めるべきだとは思います。
というのも、あんまり大きい声で言っちゃいけないのでここだけのこととしてほしいんですが(笑)そもそも確定申告をしなくてもいい段階(作品を販売し始めてもまだ売り上げが全然立っていない)ではそこまで焦らなくてもいいからです。(ホントは売り上げが出た時点で申告は必要ですし、やるべきなので決して脱税を推奨しているわけではないです(^^;))
・専業の個人事業主として画家を行う場合:年間の所得が38万円を超えたら確定申告が必要
・副業として画家を行う場合:年間の所得が20万円を超えたら確定申告が必要
作品の販売を始めるにあたって副業的な位置からのスタートであればYou Tubeにはこんな動画もあったので参考までに。↓
まあなんだかんだで書類提出のタイミングや各種決まり事、期限がありますし、画業を仕事として進める上での自分に降りかかる困り事も出てくる場合があるので手続きはしましょう(^^)。
↓の動画では開業届を出さずに事業をしたらどうなるのかを簡単にやさしく解説してくれているのでぜひ。
講義-第12回-画家と税金①青色申告と白色申告の違い
青色?白色?個人事業主はどちらかを選択することができ、確定申告をするための記帳方法の違いで受けられる控除額(節税対策)にかなりの差があります。
個人事業主として事業を進めていくなら節税のメリットが大きい青色申告が絶対にオススメですが、You Tubeで見かける動画によっては白色を推している方もいるので(青色は帳簿の付け方が複雑でそこに割く時間とか手間が割に合わない)楽に済ませたいならそういう考え方で白色でもアリです。
・・・まぁでも正直白色を選ぶなら個人事業主として開業するメリットは半減どころかまったく意味がない…って感じです。青色申告は申請後にやっぱやーめた!(白色にする)ってできますからまずは申請しておくのが吉です。
↓動画で2つの違いを詳しくやさしく解説してくれているのでぜひ。
講義-第12回-画家と税金①①開業届の作成&提出
個人事業主(フリーランス)になるにあたってはまずは開業届を税務署へ提出する必要があります。
開業届は国税庁のHPからダウンロード・印刷して記入するか、free開業という会計ソフトで記入から提出までできます。(そこまでは完全無料)
あとはこちらでも「マネーフォワード クラウド会社設立」開業届は無料で作成できますし、解説も載っています。
開業届をダウンロード・印刷して記入する場合はこの動画を参考にしてみてください↓
こちらのサイトでも簡単に分かりやすく書き方例を出してくれています。
free開業で作って提出してしまう場合にはこちらが参考になります↓
オンライン上で開業届を提出しない場合には、主に住所地を管轄する税務署へ提出しに行きます。
その際に持っていくものが以下リストです。
こちらも参考になるのでぜひ。
〇税務署へ開業届を提出しに行く場合に必要なもの〇
・開業届(控えも必ず)
・青色申告承認申請書(控えも必ず)
・本人確認書類(運転免許書・パスポート・マイナンバーカード)
・マイナンバーがわかるもの
・印鑑
講義-第12回-画家と税金①②青色申告承認申請書の作成&提出
一応開業届と分けましたが、これは税務署に提出すべき期限のタイミング的にも開業届と一緒がいいです。
むしろ、青色申告承認申請書を出す時が開業届を出すときと思ってもらってもいいです。
開業届の作成動画で出てきた電子ソフト「開業free」なら、開業届と一緒に作成できるのでそれでやってしまうのも一つの手です。(上の動画内で手順が解説されています)
もしくは国税庁のHPから開業届と同様にダウンロード・印刷して記入して税務署へ提出ということになります。
ダウンロード・印刷して記入する場合はこの動画が参考になりますのでぜひ。↓
講義-第12回-画家と税金①③青色申告のための「複式簿記で記帳する」
メリットを最大限に享受するためにはそれなりの大変さもあるわけですが、これさえ越えれば!!という感じなので、ぜひチャレンジしてほしいです。
初めての方はまずありったけのレシートをかき集めるところからスタートなので、↓の動画も参考にしてくださいね。
具体例がわかりやすかったので参考になると思います。↓
こちらもぜひ。働きながら作品収入が副業の場合は参考になるところがあります。
そして、青色なら電子会計ソフト導入しましょうって言ってます(笑)↓
正直、会計ソフトが絶対楽なのでおすすめです。やよいの青色申告は年間8千円くらいなのでおすすめです。
それなりに月額料金はかかりますが、やはりそれだけの価値はあります。会計ソフトの購入は経費にがっつり入れられますしね(^^)
〇会計ソフト〇
最大65万円の控除を受けるには電子データでの提出が必須なので国税庁のe-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用するので以下の動画もぜひ。
e-taxはスマホでも使えるので動画を参考にしてみてください(^^)↓
この動画はやよいの青色申告を使った動画になっていますが参考になるのでぜひ。↓
余談的にはなりますが、無料の複式簿記のエクセルテンプレート集なんかもあるのでこちらもよかったら。
これは相当な猛者向けです(笑)
講義-第12回-画家と税金①④インボイス制度の導入について
インボイス制度は2023年10月1日からスタートですが、画家たちも当然個人事業主(フリーランス)なので対応に迫られています。
そもそも「インボイス制度って何??」って方も多いかもしれないので、またまた詳しく解説されたYou Tubeの動画を貼っておきますので参考に見てくださいね。↓
で、画家はどうしたらいいんだろう?と考えると思うのですが、、、実際はこれも”人による”というところが私としても現時点での判断です。
個人商店や個人のお客様などとのお付き合いのみの画家の場合は免税事業者としかお仕事をしないかもしれないですし、(それならインボイス登録しなくていいかも)
もしくはデパートや企業との企画や展示がある画家の場合は登録しておかないと関係を切られる一つの要因になるかもしれません(インボイス登録を考える余地あり)
画廊によっても登録したかどうかの判断はそれぞれだと思うので、よく利用する会場があれば聞いてみるのもいいと思います。(インボイス制度導入したかどうか)
しかしまあ、とりあえずは猶予期間みたいなものもあるので様子見しながらどうするかを決めても遅くはないかなぁというのが私の思うところではあります。
You Tube上でも「インボイス制度 個人事業主」と入れるといろいろと動画か出てくるので見てみるといいと思います。
講義-第12回-画家と税金①⑤その他…ゲン担ぎ
開業日や開業届を提出する日、屋号などはゲン担ぎで縁起の良い日を選んだり画数を気にして付けるのはよくある話です。
そう何度もすることではないですし、なんとなくせっかくなら事業が上手く行くようにと実際に私は一応全て気にして日にちのタイミングと屋号を考えて記入をしました。(笑)
ここから逆算して書類提出や事業開始の準備をするのもオススメです。タイミングを見ているつもりがズルズルと…となってしまうのも照準を合わせることで防げますしね!
気にする・しないは完全に自由なんですけど、私みたいに一応ゲン担ぎしたいなって思った人向けのリンクです。↓↓
〇大安吉日カレンダードットコム (taian-calendar.com)
〇社名占い
講義-第12回-画家と税金①まとめ
お疲れさまでした。
いかがでしたか?
今回は
画家と税金①
をお送りしていきました。
今はYouTubeなどで詳しく説明してくれる方も大勢いるので、きっと昔に比べたら個人で頑張る人にとって本当に便利な時代になったんだと思います。
画家は経営者であり、個人事業主(フリーランス)です。
”画家”という肩書きを持つことやスタンスを取るにあたって何を大切にするか、重きを置くのかはそれぞれあると思います。
しかし、プロとして職業画家を名乗るのであれば税務署に「画家」として事業届を提出して認定され、帳簿も付けて申告しましょう。
とはいえ、帳簿や書類作成は正直言って面倒なものではあります。
「せっかく出た利益を税金で取られたくない!」という状態になってから私も決断してやるようになったクチです(^^;)
開業届も、青色申告も”絶対”ではありません。が、客観的な事実としてこれらをしっかりとこなしている人たちがやはり職業画家として生き残っていると私の周り(画家仲間)を見ていても思うわけです。
次回はさらにこの続き、今回の➂の深堀りをして実際に画家の必要経費の内訳についてなどをお話していきます。
また次の講義でお会いしましょう!
※今回ワークはお休みです。ご質問等あれば以下フォームから送信してくださいね。
講義-第12回- フォーム
ご質問・アンケート(あれば)
今回の講義内容での質問などあればこちらにお願いします。
あなたやこの講座で学ぶ仲間にとって、充実した講座を作っていくためにあなたの抱えている悩みやギモンをぶつけてもらえると嬉しいです。
(※講義内容の参考にさせていただきます。)