【展覧会の準備方法を知る①【事務タスク編②】】講義-第21回-展覧会開催までのスケジュールを考える
講義第21回の今回は展覧会開催までのスケジュールを考えるです。
展覧会の準備方法事務タスク編②ということで、前回で実際に展覧会開催までにこなしておくべき事務タスクを紹介したわけですが、絵の制作と同じようにそれらにも手順やタイミングがあります。
そこで、どんな事務がスケジュール日数を見積もる必要があるのか/理想としてどれくらいの日数を必要とするのか/
その具体例をまとめました。
ではでは、早速いきましょう。
講義-第21回-展覧会開催までのスケジュールを考えるスケジュール日数を見積もっておくべき事務タスク
〇PR文書作成
〇DM作成
〇DM発送
この3点は事務タスクの中で重要度が非常に高く、1日ですぐにチャチャっとできない上にタイミングが重要なのでしっかり計画を立てるべきものです。
特に、DMに関しては誰が作成するのかによって予定も手間も変わってくるので事前の備え必須です。
講義-第21回-展覧会開催までのスケジュールを考えるスケジューラーを立てよう~具体的な期間設定~
スケジューラーとは、展覧会や仕事の〆切(搬入日・納品日)を起点として逆算して予定を立てるその表のことです。
特に決まりや形式はないので、とにかく本人が分かりやすく、見やすいものであればいいです。
井上の場合にはスマホのカレンダーへの入力と、アトリエに大きめのカレンダーを貼って書きこみをしています。
スマホアプリのTimeTreeなどを使うのもいいでしょう。
●1回の展覧会開催のために立てておきたい各種スケジューラー●
➀制作のスケジューラー
→内容は事務ではないのですが、スケジューラーを立てる重要な内容の1つです。
→具体的には
・月に〇枚制作する
・〇日間で1枚完成させる
・〇月〇日~〇月〇日に完成させる
など制作の期間を決める
②DM作成のスケジューラー
→DM用作品の完成→展覧会3ヵ月前
→DMデザインの完成→展覧会2ヵ月半前
→DMの完成→展覧会2ヶ月前
➂PR文作成のスケジューラー
→2ヶ月前に完成
→月刊誌へのDM発送までが最初の〆切、その後送るメディアによって微細に変えることが必要(基本形をまず作る)
➃DM発送のスケジューラー
→2か月前→月刊誌・季刊誌
→4~5週間前→新聞社・週刊誌・OPに来てほしい人
→3~4週間前→テレビ局・ラジオ局・どうしても購入してほしい顧客
→2~3週間前→顧客や新たな仕事先・友人知人・親戚縁者
最後に・・作品リスト・発送など
→会場で掲示される略歴や挨拶文やキャプション
→新たな仕事先開拓へのポートフォリオの作成と発送(展覧会期間中に見に来てくれて、仕事をゲットする可能性を上げる!)
講義-第21回-展覧会開催までのスケジュールを考える展覧会スケジュールの具体例
1回の展示のためのスケジューラーを1つにまとめるとこんな感じになる理想的な具体例の流れです。
〇〇〇ギャラリー 〇〇展
(タイムスケジュール)
・展覧会会期:2023年10月25日(水)~10月31日(火)の7日間
10月の月初めに出る月刊誌へプロモーションを掛けるためのDM作成です。
そのため、DMはそこから2ヶ月前に出来上がっているという段取りを取りたいので3か月前にDM制作のための素材データを揃えます。
・7月初旬(展覧会月3ヵ月前)DM作成開始
展覧会の内容を確認しDM用のデータの写真を撮影し、(作品・作家顔写真など)DMに必要な文言や文章を用意して会場(会場が作る場合)もしくはデザイナー(作家側が作る場合)に提出する。
自分でDMを作成する場合には作業開始。
・8月初旬(展覧会月2ヵ月前)
DM完成。最初のプロモーション先である月刊誌へDMとPR文と略歴の3点セット(作家紹介資料もあればなお◎)を封書で郵送。
・9月1日(金)(展覧会1ヶ月半前)
週刊誌・新聞社・TV番組・情報番組・地方ラジオ局などへのプロモーション
・9月23日(土)(展覧会4週間前)
テレビ局報道部へのプロモーションと友人・知人・お客様へのDM発送
・10月14日(土)(展覧会10~7日前)
搬入作品リスト(タイトル・価格・サイズ・数量を明記)の提出(メール等)
・10月24日(火)17:00~
搬入飾り付け
・10月25日(水)11:00~
初日・17:00よりオープニングパーティー
・10月31日(火)17:00~
最終日・搬出
講義-第21回-展覧会開催までのスケジューラーまとめ
お疲れさまでした。
いかがでしたか?
今回は
展覧会開催までのスケジュールを考える
をお送りしていきました。
事務とは画家にとって社会的な繋がりのためにこなすべき業務です。
展覧会を年に〇回もバリバリこなすような画家はこういった予定を管理しながら制作をしています。
もちろんそうでなくても、大体のやるべき事のスケジュールを把握しておくことは展覧会成功のためには必要なことなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
また次の講義でお会いしましょう!
講義-第21回-ワーク
今回のワークは、『画廊や百貨店へリサーチしに行こう』です。
以前のワークで「美術館へ行こう」という出題をしましたが、今回は商業的な視点のための鑑賞です。
自分の作品を販売する活動に対して参考にしたり学びを得るための出題ですね。
今回は取り組むワークとして出題している内容ですが、今回に限らず普段ギャラリーや百貨店などで開催されていたり作品販売をしている展覧会へ行くときには”市場リサーチをする目”を持つ癖や感覚は持ってほしいわけです。
というわけで、必須項目の観点を頭に入れつつ”リサーチ”へ行ってみてくださいね(^^)
●ワークのねらい●
・作品販売の展覧会規模を体感して自分の制作に置き換えて考えてみる癖を付ける
・作品サイズ・値段・作品のクオリティを自分なりにチェックして、市場の相場感覚を養う
・売り場で展示している作家のいいところを自分の活動に取り入れて工夫できるかどうか、そのヒントを探す目を養う
・売れている作品があれば、その作品の良さや”ナゼ売れているのかを分析してみる”癖を付ける
■ワーク実習の手順■
➀リサーチしに行く展覧会の会場と内容を調べて、実際にリサーチ(鑑賞)しに行く
②出題内容の回答を考える。
➂出題内容の回答を、回答フォームに記入、送信。
※画像等はあればメール添付、送信してください。
※注意事項※
・今回は入場料を払って観覧する美術館ではなく、実際に一点物の絵画を販売している画廊や百貨店の美術画廊へ行きましょう
・なるべく一点物の絵画を販売している現場へ行きましょう。物故作家のリトグラフや絵画ではない作品(ガラス工芸品の器とかほぼ同じものが量産されている)だとあまり意味がないです。
・できれば自分の作品に近いジャンルの展示へ行きましょう。(技法ジャンル・モチーフのジャンル)自分ごととして分析しやすく、捉えやすいです。
※画像はメール添付で提出してください。※あればでOK、今回は任意項目です
必ず氏名を忘れずに記入すること。(どなたのご提出かわからなくなってしまいます(涙))
メール件名:【お名前〇〇〇〇 講義第21回ワーク回答】
画像提出はこちらメールアドレスへ↓↓↓
amikainoueart@gmail.com
最後はアンケートのお願いです。(あれば)
今回の講義内容での質問などもあればこちらにお願いします。
あなたやこの講座で学ぶ仲間にとって、充実した講座を作っていくためにあなたの抱えている悩みやギモンをぶつけてもらえると嬉しいです。
(※講義内容の参考にさせていただきます。)
※ワークへのコメント・添削返信は回答順に随時行います。
(返信目安は1週間前後)※
※セルフスタディコース【SSC】の方はワーク提出不要です※