【展覧会の準備方法を知る➁【作業タスク編⑤】】講義-第28回- 作品の魅力を伝える仕掛け 前編(作業タスク⑫・⑬)
講義第28回の今回は作品の魅力を伝える仕掛け 前編です。
今回は【講義-第22回-手堅く売れる画家の展覧会準備必須タスク一覧】の⑫・⑬にあたるタスクです。
「良いな~」「素敵だな~」と思ってもらえるような作品そのものを展示するのは前提として、その作品たちをより魅力的にかつ価値を感じてもらえるようにするためにはちょっとした会場での工夫が必要です。
会場に用意してあるとないでは接客にも差がつく仕掛けなので、これが準備できる会場の場合は必須準備として取り入れたいタスクですよ~!
この会場での仕掛けパートは前後編で解説していきます。
ではでは、早速いきましょう。
講義-第28回-作品の魅力を伝える仕掛け 前編(作業タスク⑫・⑬)⑫作成解説のためのキャプションを作成する
作品解説のためのキャプションとは、1点の作品についてのテーマや、描いたものに対しての解説を書いたものです。
形式は自由ですが、強いて言えば美術館の作品に対して付けられているものくらいのサイズにしましょう。
あまり大きなもの‥A4くらいでもかなり大きいです。大きいと展示が野暮ったく見えてしまうのでおすすめしません。
文庫本サイズくらいの大きさに留めるのが無難です。(15×10㎝くらい)なので、それくらいのサイズ感の中に入る文字数くらいの内容がいいですね。
フォトショップやワードにベタ打ちしてPCでコピー用紙等にプリントアウトしたものをピタパネ(のりのついたスチロールボード)に貼ってカットしたもので十分です。
1度作ってしまえば丁寧に保管しておくとけっこう使いまわせますし、ただプリントアウトした紙のみではちょっと安っぽいのでピタパネは使うことを強くおすすめします。
ただ、会場によっては方針と合わない場合(すっきりと作品だけを展示したいとか)もあるのでケースバイケースで見極めましょう。(付けないでほしいと言われたら取り外すくらいでもいいと思いますが)
講義-第28回-作品の魅力を伝える仕掛け 前編(作業タスク⑫・⑬)作品への思い入れの見せどころになる
本来、作品については自身が会場へ在廊してお客様に対して直接解説するのが一番作品への思い入れや熱意を伝えられるセールストークになります。
しかし、それでも伝えきれなかったり・在廊できない場合・そもそも人見知りで接客がちょっと辛い・・という場合にこの作品解説のキャプションが有効な手立てになるわけです。
1人のお客様を相手に接客している間にも作品を見ている他のお客様に向けてさらにアピールできる1つの要素になるので、作品の前にお客様を長く留まらせてくれる効果もあります。
美術館へ行くと作品の解説をしっかりと見たり聞いたりしている方は結構多いですよね?あれと似たようなことがキャプションを付けるとあなたの作品にも起こるわけです。
自分が接客できない場合に自分の代わりとなって作品の魅力を伝えてくれる1つのツールになってくれるんですね。
また、見せ方によってはさらに世界観を膨らませるためにも一役買ってくれます。
会場によって歓迎されないこともあるのでケースバイケースですが、あまり自身が在廊できない場合こそアピールのためには作るべきでしょう。
講義-第28回-作品の魅力を伝える仕掛け 前編(作業タスク⑫・⑬)⑬作品解説のための小道具を用意する
この画像は実際に私が展覧会で展示している小道具たちの様子です。
実際に使用している画材や道具を会場へ持ち込んで、作品と一緒に展示しましょう。
画材と道具、余力があれば制作途中のものなどがあるとベストです。
どんなものを使って制作しているのかを想像してもらいやすいものや、特に自分なりにこだわりがあって使っているものをチョイスするのがいいですね。
あとは、珍しいと思われるような、あまり一般の人が知らないようなもので使っているものがあればそういったものも単純に関心を引きやすいので有効です。
講義-第28回-作品の魅力を伝える仕掛け 前編(作業タスク⑫・⑬)作品へのこだわりと価値を伝えやすくなる
どんなものを使って制作をしているのかは技法を聞けば何となく想像してもらえると思いますが、やはり現物があると興味を持ってもらえそうな反応が返ってくる率は格段に高くなります。
画材はもちろん、道具もあるとどんなものを使いながら制作しているのかを想像してもらいやすくなり、制作について自身の取り組んでいることがお客様に伝わりやすくなります。(こちらも伝えやすくなります)
それすなわち、作品の価値も伝わりやすくなるということです。
でもって、作品の価値が伝わりやすくなるということは、作品に付いている価格にも納得してもらいやすくなるということにつながるわけです。(もしくは安い!とか)
私、井上の場合には技法が比較的珍しいものだから・・・というのも展示する理由の一つではあるのですが、それだけで展示しているわけじゃないんです。
特に画材や道具にこだわりがない作家さんもいるので強制はしませんが、少しでもこだわりや思うところがあるなら絶対に用意はしたほうがいいです。
用意しておくことで作品作りに対するこだわりをアピールできる要素の1つになるのは間違いないです。
講義-第28回-作品の魅力を伝える仕掛け 前編(作業タスク⑫・⑬)まとめ
お疲れさまでした。
いかがでしたか?
今回は
作品の魅力を伝える仕掛け 前編(作業タスク⑫・⑬)
をお送りしていきました。
今回のタスクはほんのひと工夫の+αとも言えるもので、正直なくても展覧会は開催できます。
とは言っても、作品の魅力をさらにアップさせてくれるものであることは間違いないのと、実際の現場ではこの仕掛けたちが接客においてはめちゃくちゃ役立ちます。
展覧会の雰囲気作りにも役立ったりしますしね(^^)
接客や人と関わるのが苦手‥緊張してしまうという画家さんこそ積極的に用意すべきものなので、ぜひこのタスクは取り入れてほしいです。
また次の講義でお会いしましょう!
講義-第28回-ワーク
今回のワークは、『展覧会で実際に展示できるものを揃えておこう』です。
展覧会を開催した際に、現場で実際に展示しておけるものを選んで用意しておいちゃいましょう!ということです。
展覧会間際になると、こういった+αの準備までは手が回らないことはよくあります。(ギリギリまで作品を仕上げたいとか)
このワークを機に自分が使用しているどんな画材や道具を展示して、自分の作品を知ってもらい、より魅力を伝えやすくするかを考えてもらえたらと思います^^
●ワークのねらい●
・実際に展覧会を開催する際に展示できるものを揃えておく
・自分の制作で使用しているもので、制作や作品についてお客様に知ってもらう手がかりになるものを用意してみる
■ワーク実習の手順■
➀出題内容を把握。
②実際に展覧会で展示することを想定して選ぶ。
➂出題内容に回答する(回答フォームに入力)。
➃回答フォームから送信と、あれば画像をメール添付にて送信
※注意事項※
・実際に展覧会で展示できるものにしましょう。
・展示するためだけに新品のものを買い揃えなくていいです。
・実際に使用しているものを選びましょう。
※画像はメール添付で提出してください。
必ず氏名を忘れずに記入すること。(どなたの画像かわからなくなってしまいます(涙))
メール件名:【お名前〇〇〇〇 講義第28回ワーク回答】
画像提出はこちらメールアドレスへ↓↓↓
amikainoueart@gmail.com
最後はアンケートのお願いです。(あれば)
今回の講義内容での質問や感想などがあればこちらにお願いします。
あなたやこの講座で学ぶ仲間にとって、充実した講座を作っていくためにあなたの抱えている悩みやギモンをぶつけてもらえると嬉しいです。
(※講義内容の参考にさせていただきます。)
※ワークへのコメント・添削返信は回答と画像の提出が全て揃った方から随時行います。
(返信目安は1週間前後)※
※セルフスタディコース【SSC】の方はワーク提出不要です※