【画家としての活動拡大➀】講義-第47回- 展覧会活動の先、画家としての活動拡大へ
講義第47回の今回は展覧会活動の先、画家としての活動拡大へです。
さて、前回までは展覧会を開催し、作品を販売していくこと、それを経てさらに受注オーダーをゲットすることで売上を上乗せしていくための手順を解説していきました。
その一連の展覧会活動以外にも、実は画家として活動していける幅ってけっこう広いんです。
展覧会を開催する=「画家として自分の作品を誰かに届けること」だとすれば、今回はその方向性とはまた違った角度から「画家としての自分を発揮していく」ための具体例を解説していきます。
ではでは、早速いきましょう。
講義-第47回-展覧会活動の先、画家としての活動拡大へ展覧会以外にもある!”画家だからできる”活動具体例
以前の講義 講義-第9回-今画家が生きやすい理由 先輩たちの生存戦略 で解説した先輩画家たちの活動がヒントになってきます。
☆「画家という立場を活かした」活動の具体例☆
- ➀講師業(先生業)
- ➁ワークショップ
- ➂新聞や雑誌の挿絵
- ④新聞や雑誌の連載
- ⑤活け花・宗教など 法人団体の会報誌の表紙・挿絵
- ➅壁画制作
- ➆お酒のラベル・化粧品など 広告/作品パッケージ
- ➇法廷画家
➀講師業(先生業)
→これがとにかく一番多いですし、なによりも自身に技術的なことやキャリアがあるなら尚更やはり手っ取り早い方法です。
→むしろ、画家として絵を販売するよりも先にこちらを本業にしている方も多いですね。その場合は教室⇔展覧会と相互に宣伝や告知、集客をしてお客様や生徒さんを集められるようにしていくのが理想です。
→教室の生徒さん層によるところは大きいものの、どちらかと言えば正直なところ大人向けの絵画教室のほうが展覧会を開催した際、ダイレクトに作品とのご縁をゲットしやすい傾向はあります。
→ただ、子供向けの教室の場合でも子供の保護者やそのツテでのご縁ということもあれば、子供本人が作品を買うというケースもあります。子供の場合はその先息の長いコレクターを育てることにも繋がるので、長い目で見れば活動が画業業界にとってはプラスに貢献できるとも言えます。
➁ワークショップ
→イベントや催事スペースなどでの開催で重宝されるパターンです。
→自身の作家としての知名度を広げる&今後開催予定の展覧会の告知や集客にも利用できるので展覧会活動と並行してできると相互的にメリットが活かせます。
→先方からお願いされて開催できるようになると、条件や継続的な開催に繋げられるような場所やコネクションをゲットできるようになれる可能性も高いので活動の拡大にはけっこう手っ取り早い手でもあります。
→特に、メディアを付けられると最高です。(地方ローカルとか地方新聞とか)
➂新聞や雑誌の挿絵
→新聞の小説や、新聞・雑誌共にコラム欄などに添えてある挿絵のお仕事です。
→他には似たようなものだと、TV番組のタイトルイラストの担当などですね。
→これに関してはメディア対策をして展覧会を採り上げてくれた記者さんのツテで仕事をゲットしている作家さんが多いですね。
④新聞や雑誌の連載
→➂とあえて分けましたが、こちらは画家(作家)がメインで採り上げられる連載です。
→作家の作風やスタイルが新聞の特集したい趣旨に合っていたり、その趣旨に寄せた連載企画を先方に提案できると採用されるチャンスはあります。
→井上の知り合いの作家だと、
➀地元のローカル紙で曜日連載で自身の作品と地元の風景などを絡ませた連載で採り上げてもらっていました。
➁連作の作品を雑誌の内容に沿わせた企画にパッケージングして企画が採用されて1年以上にも及ぶ連載を続けていました。
⑤活け花・宗教など 法人団体の会報誌の表紙・挿絵
→こちらもツテというパターンは多いですが、Instagramで見つけて・・・という希望の持てるケースも聞きます。
→会報誌だと、年間や半年間と長期にわたってのお仕事になるのと、展覧会を控えている場合には絶好の宣伝・告知媒体となり得るので、営業先としてもけっこう狙い目です。
→井上の知り合いの作家さんは年間で表紙に作品画像が使われていました。作品の雰囲気と団体の醸し出したい雰囲気がマッチしていたような感じだったので、そのあたりのシンパシーは大事にしたほうがいい具体例です。
➅壁画制作
→井上が実際に過去受けたお仕事です。先方が一般家庭ではなく、法人や企業だとこういうパターンもあります。
→展覧会の告知から頂いたご縁だったので、ギャラリーなどで展覧会を開催する場合にDMをそういった企業の代表宛てにポスティングするとこういったお仕事をゲットできる可能性はけっこうあると思います。
→他にはいわゆる”銭湯の富士山”なんかもこれと似たようなケースですね。ディズニーランドの内装は美大生の頃バイトが回ってきましたが、先方の言う通りの状態にするのが絶対の目的なので、自分の色は出せないのがちょっと違うところです。
➆お酒のラベル・化粧品など 広告/作品パッケージ
→企業や団体が公募をしている場合もありますが、地方であれば地元出身やツテからということも多いです。
→お酒で多いのは日本酒です。地方各地に酒蔵があるので、「地元に酒蔵がある」または近いツテがある場合には営業をかけてみるのはアリです。
→私の知り合いの作家さんで、化粧品会社に作品の画像が使われたケースです。ドでかい看板になって駅のホーム構内に設置されていたのですが、これはコレクター界隈では有名な美人画の完売売れっ子作家さんでした。
→実際なかなか狙うのは難易度がありますが、化粧品会社とアートの繋がりで有名なのは資生堂ギャラリーがある資生堂や、公募展を毎年開催しているアルビオンなど特に美人画を得意ジャンルとしている作家さんなら一考の余地ありです。
➇法廷画家
→これはかなりレアなお仕事です。
→新聞の記事やテレビのニュース番組に出てくるので、その絵を見たことはあると思います。写真や映像を撮ることができない、法廷内の様子を描く職業です。
→主に依頼してくる先方は新聞社の記者やTV報道部のプロデューサーや記者です。相場はそれぞれの会社によって差があるものの、総じて新聞社よりTVのほうが1件あたりの報酬は大きいようです。
→法廷内の様子は主に被告人をはじめとする人物の様子や、その特徴を捉えて時間内に描き切る必要があります。人物が得意かつ早描きできる方が重宝されるとのこと。
→一般的には募集をかけたりしていないようなので、私の知り合いの作家さんもTV関係の仕事をしたツテで続けている仕事のようなので、ゲットするのはなかなか難しいかもしれませんが・・・まああくまでも具体例として(^^;)
講義-第47回-展覧会活動の先、画家としての活動拡大へ画家に多い講師業(先生業)、もしやるなら....
先輩画家たちの生存戦略でもかなりのウェイトを占めていた講師業(先生業)はやはり多いです。
「だろうね~。そんなの前からそうだもん、知ってるよ~。」と言われちゃいそうですが、実際はひと口に画家が講師業をすると言ってもその内訳は様々です。
というのも、成功している個人で教室を開講している画家さんは、その教室を開く際に「どんな生徒さんのための教室なのか」をある程度絞っているからです。
会社法人のような大きなところは経営のために手広く大きくマスを取っていく必要がありますけどね。
というわけで、もし教室を開くとしたら明確にしておきたいことを挙げておくと
☆教室開講のために決めたいこと☆
・いつ?
・どんな場所で?
・どんな地域で?
・どんな規模で?
・どんなジャンルで?
・どんな年齢層が対象で?
・どんなレベル感で?
・教室へ通うとどんなふうになれる(教室の特色やコンセプト)?
これです。
講師業をすると画家としては「画家としての自分を、目に見える作品という形に遺す」ことだけでなく、「目に見えない、形のない今まで自分が画家として人として経験して来たことまでも誰かに伝えていける(誰かの中に遺せる)、役に立ててもらえる機会」を得られます。
また、報酬を頂けるお仕事にも成り得るので、これって自分の中にある大体のものを肯定できる現場になるんじゃないかなと個人的には思っています。
画家として経験を積んだ先なら尚更!ぜひ挑戦してもらいたいですね(^^)
講義-第47回-展覧会活動の先、画家としての活動拡大へまとめ
お疲れさまでした。
いかがでしたか?
今回は
展覧会活動の先、画家としての活動拡大へ
をお送りしていきました。
画家の基本的なお仕事が”作品を制作して販売する”いわゆる展覧会活動だとすれば、それ以外、またはその先のご縁や行動次第で活動の範囲は広げていけるよってお話でした。
”画家=絵を描いている人だと名乗る”からこそできることってけっこうあるので、むしろ展覧会活動だけにとどまっていてはかえってもったいないとすら思っちゃいます!(^^)
今回の内容は展覧会活動の先で”画家としての自分”を発揮していく具体的な活動例を解説したわけですが、つまるところ「画家としてどんなことをしていきたいのか?」が自分を満たしつつ活動を豊かにできるかの鍵になっていくのだと思います。
内容が内容だけに最後ちょっぴり壮大な感じになってしまいましたが、今回はここまでです。また次回お会いしましょう!
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(※講義内容の参考にさせていただきます。)