【展覧会・市場・画家の知識を頭に入れる➂】講義-第10回-市場にいるお客様(コレクター)心理 6選
講義第10回の今回は市場にいるお客様(コレクター)心理 6選です。
今回は作家が知っておくべき、”お客様がわざわざ展覧会へ足を運ぶ心理”です。
お客様はナゼわざわざ会場へ足を運ぶのか?それはお客様が求める〇〇のためだったりします。
私が有名百貨店を中心にギャラリー等の絵を販売する現場で展示してきた中で出会ってきたお客様の心理をまとめました。
ではでは、早速いきましょう。
講義-第10回-市場にいるお客様(コレクター)心理 6選➀非日常・特別感を味わいたい
まずはこちら。買う、買わないは置いておいて、単純に普段の生活空間にはない雰囲気を味わうために足を運ばれる方は多いです。
大人ならわりと小綺麗な装いで来場される方が多いのがその証拠でしょう。
やたらと気取る必要はないですがお客様は素敵な空間を味わいに来場されていることを念頭に置いて、こちらは仕掛ける側として振る舞いを意識したいですね。
加えて、一点物ものの絵画しか並んでいない、この期間しか展示していない(1週間とか)、売切れ御免などの要素も特別感を演出させて煽る手立てとしてとても有効です。
・・・画廊によって雰囲気も契約時のルールも違うのですが、個人的には雰囲気を大切にしている画廊のほうが好感が持てます。(^^;)
講義-第10回-市場にいるお客様(コレクター)心理 6選②贅沢感を味わいたい
➀と似ていますが、これは特に百貨店の美術画廊やアートフェア、豪華客船内、ホテル催事などの場所での展覧会が該当するイメージです。
ある程度の高いブランドイメージがあったり、コストを払わなければ入場できないような場所での展覧会へ赴いて、しかも”贅沢品”である絵を鑑賞しに行くという時間に価値を見出している感じですね。
ちなみに、これは会場側による影響が大きいとはいっても、作家側もこの雰囲気を壊さないように会場のTPOに合わせて服装や清潔感等を配慮することを求められます。
講義-第10回-市場にいるお客様(コレクター)心理 6選➂ハイソサエティな感覚を顕示したい・酔いたい
これはもうズバリそのままですが、まぁいらっしゃいます。
日本ではいまだに絵を購入する方はそれほど多くない現状で、絵が高級品扱いであるところは正直否めません。
だからこそこういった方がいるのも正直なトコロなのです。
とはいえ、私達画家にとっては作品を購入する方の存在はありがたいことには変わりないですから大切にするのがベストです。
・・・・まぁ、でも画家が作品を買ってもらいたいお客様を選んではいけないという決まりもないので、このあたりはそれぞれのスタンスで判断していいんじゃないかと思いますね。
講義-第10回-市場にいるお客様(コレクター)心理 6選④偶然の出会い(巡り合わせ)
なかなかこれは猛者のパターン(笑)ですが、意外にも私や私の周りでもよく聞くので珍しくないのです。
このタイプのお客様の心の機微、一連の流れとしては、
なんとなく何かを買いたい・欲しいと思っている→思いのほか良いなと思ったものに出会えた→これも何かの縁、買いましょう
こんな感じです。
正直、「せ・・セレブ…」と思ってしまうのですが、けっこうあっさりなんですよ・・・!
こういう時に、自分の尺度だけで物事を測ってはいけないなと思います(笑)
ちなみに、こういったお客様を取りこぼさずゲットするためにできることは、シンプルに3つです。
・常に自分が自信を持ってオススメできる作品を揃えておくこと
・作品解説とセールストーク
・売り場スタッフへの作品情報の共有
イザという時のためにしっかりと備えておきたいですね。
講義-第10回-市場にいるお客様(コレクター)心理 6選⑤画家との交流がしたい
わざわざ会場へ足を運ぶお客様は、作品の作者と直接会ってみたいと考える方が多いです。
どんなことを考えて、どんなふうに、どれくらいの時間をかけて制作しているのかを作者から直に話を聞くことが作品を吟味する上で肝心なようです。
作品についてを主な話題にしつつも、”こんな作品を創る人ってどんな人なんだろう”という感じで作者本人にも興味を持ってくれるタイプのコレクターさんですね。
まぁ、ただ、これは行き過ぎるとギャラリーストーカー云々になってくることもあるので適切な距離感はある程度気にしたほうがいい場合もあります。(特に女性)
講義-第10回-市場にいるお客様(コレクター)心理 6選➅いいと思った画家を直接応援したい
これは、昨今のアイドルやアーティストの”推し活”と似ている感覚があるように思います。
画家とその作品を通して夢や好きなこと(絵の制作)を追いかける人たちを応援することで、一緒になって同じような気持ちを味わったり、頑張れる気持ちになってくれるようです。
絵画作品を見たり、買うことが好きな方は、実際に作品を見た上で画家本人とコミュニ―ケーションを取った際の印象が良ければその画家を応援したいと思っている方は多いです。
こういった方は 応援=作品を購入する ということも良くわかっているので、やり取り自体もスムーズだったりしますね。金額によるところはあっても、ある程度のものならポンと購入してくれます。
加えて、このタイプのコレクターさんとはよくお話をする機会があるのですが、彼等はしきりに「やめないで続けてね」と言って激励してくださるので、”いかに続けることが大切であるか”を教えてくれます。
作品はもちろんのこと、自分の画家としてのスタンスや考え方を普段から持っておくことはコミュニケーションが大切なので言うまでもないですね。
私達画家はエンターテイナー的な面があるのも自覚しつつ、自分のすべき、できることでお気持ちを返せるように活動をしていきたいですね。
講義-第10回-市場にいるお客様(コレクター)心理 6選まとめ
お疲れさまでした。
いかがでしたか?
今回は
市場にいるお客様(コレクター)心理 6選
をお送りしていきました。
今回挙げた項目6つは、お客様が私達画家が作りあげたり展示したりする作品やその空間に対して、期待している・求めていることとも言えます。
よって、私達画家はこれらを大切にした展覧会を開催するのが望ましいですね。
展覧会を開催・参加・在廊する際には特に意識しておきたいお客様のココロでした。
また次の講義でお会いしましょう!
以下から今回のワークです。
講義-第10回- ワーク
今回のワークは、『フィールドワーク(モチーフ取材)』です。
外に出ずともネットで様々なものを見ることができる今現在ですが、基本的に描く作品の傾向が抽象・具象を問わず実物の”観察”は大切にしてほしいので、今回のワークにしてみました。
外へ出てモチーフを取材することは、モチーフのためだけに出掛けることもあれば、他の用事のついでということもあるのですが、私自身ずっと続けていることの1つでもあります。
私の場合だと、それぞれ
絵【メインモチーフ→動物・草花、背景→空・建物・コンクリートや苔の様子、質感】
額縁【既製額縁・彫刻作品・建物・ジュエリー・工芸品】
こんな感じのものを意識して取材しに出掛けることが多いです。
正直、いざ出掛けるとなると最初は面倒になることもあるのですが、始めてしまうと時間を忘れてのめり込んでしまうものです(笑)
観察・取材したいもの(モチーフ)に検討がついている場合はそれがいいですし、もし特に思いつかないのであればなんとなく気になったものでもいいと思います。(なんとなくでも気になったということは、自分の中に反応できる何かがあった証拠)
ワークに取り組むことで、この機会に改めて意識して自分が向き合いたいモチーフを探してみましょう。
もちろん、次に描く1枚のために探すのもグッドです(^^)
●ワークのねらい●
・実際の観察から得た自分の感覚や気付きを意識する
・実際の観察を経る取材の時間を大切にする
・作品制作のネタをストックする
・作品制作のネタを開拓する
■ワーク実習の手順■
①出題内容の回答を考える。
➁出題内容の回答を、回答フォームに記入、送信。
➂今回取材したものなどの画像・写真をメール添付で提出。
※注意事項※
・なるべく屋外へ出て取材できるものを探してみましょう。
・スマホなどで写真は必ず撮っておきましょう。(後で資料としてストックしておける)スケッチはできたら最高です。
※画像はメール添付で提出してください。
必ず氏名を忘れずに記入すること。(どなたのご提出かわからなくなってしまいます(涙))
メール件名:【お名前〇〇〇〇 講義第10回ワーク回答】
画像提出はこちらメールアドレスへ↓↓↓
amikainoueart@gmail.com
最後はアンケートのお願いです。(あれば)
今回の講義内容での質問などもあればこちらにお願いします。
あなたやこの講座で学ぶ仲間にとって、充実した講座を作っていくためにあなたの抱えている悩みやギモンをぶつけてもらえると嬉しいです。
(※講義内容の参考にさせていただきます。)
※ワークへのコメント・添削返信は回答と画像の提出が全て揃った方から随時行います。
(返信目安は1週間前後)※
※セルフスタディコース【SSC】の方はワーク提出不要です※