【展覧会の準備方法を知る➁【作業タスク編⑤】】講義-第27回-グッズ制作の判断と販売(作業タスク⑩・⑪)
講義第27回の今回はグッズ制作の判断と販売です。
今回は【講義-第22回-手堅く売れる画家の展覧会準備必須タスク一覧】の⑩・⑪にあたるタスクです。
作品(本画)以外に状況や必要に応じてグッズを用意すれば展覧会で売上を確保できるチャンスは広がります。
よって、グッズを販売する場合には展覧会前の作品を準備するのと同じタイミングでこちらも準備をしておく必要があるわけです。
というわけでタスクの順番的には作品準備の後に加えています(^^)
ではでは、早速いきましょう。
講義-第27回-グッズ制作の判断と販売(作業タスク⑩・⑪)⑩グッズを用意するかどうかを展覧会や会場の規模によって判断する
いつ・どんな時の展覧会でもグッズを用意していなきゃダメ!!というわけではないんです。
むしろ、グッズはあくまでも原画の副次的なものなので1点物の原画を画廊などで展示する場合はないほうがいいこともあります。
実際には展覧会をする会場がグッズを置いてOKなのか、グループ展などの場合、展覧会の規約や参加する他の作家さんがグッズを出すのかなどを展覧会の主催者や現場のスタッフさんなどに事前に確認しておくのが重要です。
講義-第27回-グッズ制作の判断と販売(作業タスク⑩・⑪)グッズがあったほうがいい場合とないほうがいい場合がある
上で書いている通り、グッズはあれば売上を確保できるチャンスを広げられるわけですがないほうがいい場合もあります。
具体的にあったほうがいい場合とないほうがいい場合、2つをそれぞれ挙げます。
〇グッズがあったほうがいい場合
・グッズ販売がOKまたは推奨の現場や展覧会(グッズが原画より出やすいとあらかじめ分かっている現場)
・雑貨屋さんや、ギャラリーでない個人経営のお店での展示(喫茶店なども)
・イベント会場など人通りがあるカジュアルな現場
・観光地などのふらっと立ち寄る人が多い現場(かばんにサッと入るサイズもお値段もかわいいものが出やすい)
〇グッズがないほうがいい場合
・原画販売のみをうたっている現場
・スタッフさんが原画販売に力を入れている現場(グッズで売上を分散させてしまうリスクを危惧している)
・高級感を売りにしている現場(できれば小物やレジ操作が伴うものを置きたくないなど)
講義-第27回-グッズ制作の判断と販売(作業タスク⑩・⑪)⑪グッズの在庫と経費を確認して制作する
1点物の絵画を制作している画家がグッズを制作する場合、基本的には原画の画像データを使って制作します。
そして当然、グッズ販売をするとなると制作には別途経費がかかってきます。
また、どんなグッズを制作するかによって業者さんへの注文時にロット販売で個数を在庫として抱えることも想定して注文するように考えておきましょう。
なので、最初はある程度のコストを承知で制作する必要も出てきますからよくよく考えて原画の在庫がそろってきてから作るのでも遅くないでしょう。
講義-第27回-グッズ制作の判断と販売(作業タスク⑩・⑪)よくあるグッズ参考例
普段、一点物の作品を制作する画家達がグッズを販売する場合、どんなアイテムを制作しているのかをまとめてみました。
大抵はネット注文でデザイン・デザイン入稿して納品されるものがほとんどなので、
「グッズを作って販売したいけど何を作ればいいかわからない・・」
こんな場合には特に参考にしてみてください(^^)
➀ポストカード
→画像は私が実際に販売しているものですが、テッパンで一番手軽に制作と販売ができるグッズです。
展示で実際に販売する原画作品や販売済みの作品がある場合にはそれらの写真データを使って入稿して業者さんに発注をかけて制作してもらいます。
今回紹介する中で最もかかるコストが低く、とにかくお手軽です。
とりあえず何か少しでも作って販売したい場合には真っ先に手を出すべきアイテムですね。
また、お客様へのご来場のお礼状やご挨拶の一言を添えて送るために使うこともできるので作っておくと案外便利です。
画像のような1枚ずつのものから、蛇腹状になったもの、製本されているものなどバリエーションは様々あるので、工夫のし甲斐もあります。その分、価格も工夫して付けたほうがいいですね。
➁便箋やメモパッドなどのペーパーアイテム
→こちらもコストや制作の手間などを考えても挑戦しやすいアイテムです。
私の周りだと特に水彩などで原画を制作をする方が一筆箋やメモパッドを販売しているパターンが多いですね。
雑貨店などで置いてもらえるケースが多いのがこのアイテムの良さでもあるので、委託販売を考える場合の一手にもいいと思います。
➂クリアファイル
→こちらも取り扱ってる業者さんが多いので作りやすいと思います。
写真は私が大原美術館へ行ったときに買ったエル・グレコのA5クリアファイルです。
A4やB5あたりがロット販売で比較的お安めなのと実用的な場合は多いかもですが、作品の雰囲気などに合わせてサイズを考えて作るのはグッときますね・・!
④カレンダー(大型・卓上)
→販売に出す季節や時期と在庫との兼ね合いのタイミングを見る必要があるものですが、こちらもよく見かけます。
カレンダーで使用した原画をテーマにした展覧会を開くという名目が先に立っている場合も多いですね。
⑤陶器製コースター
→ちょっとマニアックですが、実際に私の知り合いの作家さんが制作していて思わず買った経験があります。
(でもって、私が今一番作りたいグッズです)
ポストカードやクリアファイルと同様の流れで制作できるものですが、コストはそれなりにかかります。
お客様からするとポストカードを買うよりも値段は張るけれど、原画よりは安いし”もの”としてしっかりしていて繰り返し使えて絵が楽しめるアイテムなので、結構喜ばれるアイテムのようです。
➅トートバッグ
→こちらもコストはかかりますが、たまに見かけます。
委託販売が出来る場合や、原画とグッズを合わせて販売することを推奨している現場ではいいかもしれません。
それなりにデザインセンスが問われるので、コスト面と合わせて難易度は高めのアイテムですね。
講義-第27回-グッズ制作の判断と販売(作業タスク⑩・⑪)イケてるグッズを作りたいなら…
ズバリ、美術館に併設されているミュージアムショップをチェックする!
この画像は私が美術館や博物館で購入した栞や一筆箋です。
もちろん、ここまでのクオリティーのものをとなるとあまり現実的ではないです。
とは言っても「原画からグッズを作る」という観点においては私達がしようとしていることとそんなに変わらないので、参考になるものであることは間違いないです。
原画の画像をそのまま使ったり、一部をトリミング(切り抜いて)して使うなど・・・いずれにしてもその原画作品の良さを活かしながら作られています。
せっかく美術館へ訪れた際にはどんなグッズがあるのかもリサーチしておきたいですね。
講義-第27回-グッズ制作の判断と販売(作業タスク⑩・⑪)まとめ
お疲れさまでした。
いかがでしたか?
今回は
グッズ制作の判断と販売(作業タスク⑩・⑪)
をお送りしていきました。
展覧会開催において、最も重要なのは言わずもがな作品です。今回のグッズについては副次的なものとして考えてくださいね。
最初から一気に全てを用意するとなると大変なので、展覧会を何度か経験してからグッズ制作を考えるというのもアリかと思います(^^)
とはいえ、今まで1点物で描いてきた過去作や売れてしまった作品を活かせるチャンスにもなるのでチャレンジの価値はありますよ!
また次の講義でお会いしましょう!
※今回ワークはお休みです。ご質問等あれば以下フォームから送信してくださいね。
これまで出題した課題にじっくり取り組んでみてくださいね(^^)
講義-第27回-フォーム
ご質問・アンケート(あれば)
今回の講義内容での質問などあればこちらにお願いします。
あなたやこの講座で学ぶ仲間にとって、充実した講座を作っていくためにあなたの抱えている悩みやギモンをぶつけてもらえると嬉しいです。
(※講義内容の参考にさせていただきます。)