【展覧会の準備方法を知る➁【作業タスク編➅】】講義-第29回- 作品の魅力を伝える仕掛け 後編(作業タスク⑭)
講義第29回の今回は作品の魅力を伝える仕掛け 後編です。
今回は【講義-第22回-手堅く売れる画家の展覧会準備必須タスク一覧】の⑭にあたるタスクです。
「良いな~」「素敵だな~」と思ってもらえるような作品そのものを展示するのは前提として、その作品たちをより魅力的にかつ価値を感じてもらえるようにするためにはちょっとした会場での工夫が必要です。
事前の準備がモノを言うところなので、しっかりと備えて展覧会に臨めると強いですね。
後編では⑭のタスク内容と共に、”仕掛け前後編”の準備をしておくと得られる効果をまとめ解説していきます。
この会場での仕掛けパートは前後編で解説していますので、前回の前編⑫・⑬も合わせて参照してくださいね。
ではでは、早速いきましょう。
講義-第29回-作品の魅力を伝える仕掛け 後編(作業タスク⑭)⑭展示会場で閲覧できるポートフォリオやスクラップブックを用意する
ポートフォリオについては作り方も解説したこちらを参照してくださいね。↓
基本的に展示会場に置くポートフォリオは、今その場に展示していない過去作品=在庫やすでに売約済みの作品をお客様に見てもらうためのアイテムです。
よーするに、ポートフォリオはあなたの作品(商品)カタログです!
過去作品(在庫)が額装済みであれば、できれば作品+額装した状態の画像 を載せておくと作品のイメージがしやすくなるのでトラブルを避ける工夫になります。(いざ実物を見た時の額装が気に入らないなど)
そして超重要なのは、過去作品(在庫)を載せている場合は作品の価格表を最後のページに入れておくことです!必須!
価格表があれば、サイズ感とお値段の予算をお客様に検討してもらいやすくなります。
そうすると、過去作品が売約したり、新たにオーダー(受注)で売上を立てられるチャンスも生まれたりするわけです。
実際にあったのが、ポートフォリオの中の作品を見て「この動物を描いてほしい・このくらいのサイズ、お値段で」というオーダーをポートフォリオを眺めていたお客様から頂くシチュエーションでした。
価格表の作成については、手書き・もしくは【講義-第11回-画家のキャリアと作品のお値段】のワークで使用するエクセルの雛型に情報をはめ込んでA4サイズ普通紙でプリントアウトすれば簡単に作成できるのでぜひ活用してくださいね^^
講義-第29回-作品の魅力を伝える仕掛け 後編(作業タスク⑭)スクラップブックはあればでOKですが、あるなら必須!
スクラップブックとはご自身が新聞や雑誌などに採り上げられた場合の記事のストックです。
ポートフォリオと別のファイルにまとめるか、私のように記事を一つずつクリアファイルにセットして会場に並べたりして置いておくのがいいでしょう。
置きスペースに余裕がある会場ならクリアファイルにセットしたほうが一目でわかるのでおすすめです。
画像のように、新聞も見やすい場合の箇所(一面)や雑誌の場合は切り抜かずに現品のまま置いておくのも有効です。(現物にちゃんと載ってる感が大事!)
過去にメディアで採り上げてもらったことがあるなら、活用しないテはないです。
TVでも可能なら映像の切り抜きなどをプリントアウトして日付と番組名などを添えておくといいですね。
”仕掛け”を準備しておくと得られる効果➀接客のきっかけ・会場にお客様を長く留まらせる
ズバリこれが前後編で紹介した”仕掛け”をすべき最大の理由です。
作品の鑑賞をし始めたお客様にドンドン話しかけられる人はアタックして行ってもいいとは思いますが、画家さんたちって初対面の人にドンドンぶつかっていけるタイプの人は総じてあまり多くないと思います。(笑)
いきなり、「この絵どうですか!」って言うのもちょっと無粋ですしね。
なので、こうした仕掛けで足を留めてくれたお客様に補足説明をするような形で自然に話しかける(接客の)きっかけをゲットできるわけです。
会場に居てくれる限りはこちらも接客し放題なわけですしね(^^)
そこから作品についての解説や思い入れなどに繋げていければ最高です。
ちなみに、あまり興味・関心がない方は”仕掛け”をスルーするので、話しかける(接客する)べきか否かの見極めの1つとしても使えます。
”仕掛け”を準備しておくと得られる効果➁作品は買わなくても、グッズを購入してくれるお客様のゲット率UP
”仕掛け”で接客のきっかけを掴んでからの接客後に「本画は金額的にも買うつもりがなかったけど、絵は素敵だからグッズくらいなら・・」と内側で思っていたお客様をゲットできる確率を格段に上げてくれます。
会場でのコミュニケーションなしでグッズを買っていくお客様は普段そういう場所で買い慣れているか、わりと変わっている方です(笑)
作家自ら”仕掛け”を使って解説や接客をすると、作家を応援したくなる気持ちが芽生える方は多いです。
応援の意味を込めてグッズを求めてくれる方はけっこう多いので、”仕掛け”をお客様とのコミュニケーションに繋げるために利用しましょう。
”仕掛け”を準備しておくと得られる効果➂今後作品を買ってくれそうなお客様(ファン・見込み客)を狙い撃ちできる
これは②の効果の発展形です。今回の前後編での仕掛け準備だけでもいいですが、+グッズがあるとかなり強力なコンボになります。
『説明も聞けて絵が気に入ったけど、金額が‥今はちょっと…』と思ってくれたお客様は、金額的に手が出せるグッズがあるとそれを買ってくれることが多いです。
もちろん、作品自体を良いと思ってくれたことが大前提で、
作品を鑑賞→”仕掛け”に興味を持ってくれた→グッズを買ってくれた
この流れを踏んだお客様は今後の展示で作品を買ってくれる可能性のある”見込み客”と判断して間違いないです。
次回展示のご案内(DM)を送らせてもらうためにも、ご住所をゲットしましょう!
この判断がしやすくなるのも”仕掛け”のワンクッションがあるからと言えるでしょう。
”仕掛け”を準備しておくと得られる効果④画商さんや会場スタッフが作品の魅力をお客様に伝えやすくなる
展示をしている間、ご自身でお客様に対して接客が出来る場合は自ら接客すればいいだけのことですが、それが出来ない場合・会場スタッフさん任せになる場合ですね。
仕掛けを会場に準備しておくと、会場スタッフの方や画商さんがあなたの作家性や制作・作品についての解説をお客様に伝えやすくできる材料になります。
もちろん会場によって接客に対してのスタンスはまちまちなのが現状ですが、熱心に接客をしてくれる場合の画商さんやスタッフさんがいる会場では重宝されますよ。
画廊のような元々絵を展示するための場所ではない個人経営のお店のツテや飲食店等で展示をする場合でも、特にポートフォリオとスクラップブックの用意をして置いてもらうのはめちゃくちゃ有効ですよ!
”仕掛け”を準備しておくと得られる効果⑤画商さんや会場スタッフにもあなたの作家性やこだわりをアピールできる
これはあまり考えていない人が多い視点でしょう。
画商さんや会場スタッフの方はお客様からすれば作家と同じような立場(作品の販売側)に感じると思いますが、私達作家からすればちょっと違いますよね。
作家がどんな会場で展示をしようかと会場を選んでいるのと同時に、画商さんやスタッフさんもどんな作家を扱おうかを選んでいるわけで…
日本の歴史的には結果的に作家が画商さんにこき使われていることも多いですが、それでもお互いに選び選ばれ・見定め合っているところは常にあります。
やる気や制作にかけるこだわりなどを伝えるための工夫を惜しまない姿勢で、画商さんやスタッフさんに応援したい・取扱いたいと思わせることができると展示のお誘いをもらえる可能性も上がります。(もちろん作品が良いのは前提でね!)
効果④同様に、個人経営の飲食店等でも有効(他のお店を紹介してくれたり、常設してくれたりの可能性など)作品だけではなく人となりや制作スタンスも知ってもらいやすくなるので、協力や理解を得やすくなりますよ。
講義-第29回-作品の魅力を伝える仕掛け 後編(作業タスク⑭)まとめ
お疲れさまでした。
いかがでしたか?
今回は
作品の魅力を伝える仕掛け 後編(作業タスク⑭)
をお送りしていきました。
前回同様、今回のタスクも会場の飾り付けの一部でほんのひと工夫の+αとも言えるものです。
正直なくても展覧会は開催できます。
とは言っても、”仕掛け”の前後編を合わせてそのほんのひと工夫から得られる副次的な効果についても解説したので、これを使わないテはないですよね(^^)?
画家さんや作家さんは基本的に篭って作品を作るのが好きな方が多くて、自分が外に出てアピールすることはおろか、ましてや接客なんて…人と関わること自体が苦手な気さえするのに…という方が多いです。
(実際、私は完全には否定できません(^^;))
この仕掛けはそんな画家さんをアシストして販売や新たなご縁に繋げる効果は絶大なので、備えあれば憂いなしですよ~~!
また次の講義でお会いしましょう!
今回のワークはお休みです。今まで出題したワーク、取り組めていないものがあったらぜひチャレンジしてみてくださいね(^^)
講義-第29回-フォーム
ご質問・アンケート(あれば)
今回の講義内容での質問などあればこちらにお願いします。
あなたやこの講座で学ぶ仲間にとって、充実した講座を作っていくためにあなたの抱えている悩みやギモンをぶつけてもらえると嬉しいです。
(※講義内容の参考にさせていただきます。)